育ち
私の今まで育った環境は、
家に帰れば誰か居て、
ただいま、と言えば、誰かしらの声で、
おかえり、と言ってくれた家庭だった。
祖母と同居していたからおばあちゃんは、
毎日家に居てくれて私の話を聞いてくれてた。
うちの家庭はおばあちゃん中心の生活だったから、
おおげさに言えば、
何をするにもおばあちゃんの許可が必要で、
おばあちゃんが◯と言わないことは、
何もできなかった。
結婚も、おばあちゃんの◯がないと、
結婚させてくれなかっただろう。
旦那はおばあちゃんの◯、
いや、
◎◎◎
ぐらい気に入られたから、私は安心できた。
結婚するまで、
家に帰れば誰か居る家庭、
が当たり前だった私は、
結婚してからは毎日ひとり。
おばあちゃんも亡くなって居ない。
そんな環境に慣れるわけない。
慣れなきゃいけないんだろうけど、
やっぱりさみしい。
結婚してから友達も離れて行き、
頼るのは旦那だけ。
人は一人では行きていけない、
と言うけれど、今の私そのものだ。
甘えんな、こどもだ、自立しろ、
と世間は言うが、
私にはひびかない。
家という毎日同じ環境から脱出して、
新しい環境で生活するしか、
手はないんだ。
分かってるのにやろうとしない、
できない女だ。